説教要旨
  
  7月18日 本当の権威とは何か  大村 栄
              マタイ福音書7:1~14      

◇「5:イエスがカファルナウムに入られると、一人の百人隊長が近づいて来て懇願し、6:「主よ、わたしの僕が中風で家に寝込んで、ひどく苦しんでいます」と言った」。ローマの軍人は被占領地のユダヤ人から嫌われて当然だが、その占領軍の士官が、ユダヤ人のイエスを信頼して、部下の癒やしを懇願したのは意外だ。

◇懇願を聞いた主イエスが「7:わたしが行って、いやしてあげよう」と言うと百人隊長は、「8:主よ、わたしはあなたを自分の屋根の下にお迎えできるような者ではありません。ただ、ひと言おっしゃってください。そうすれば、わたしの僕はいやされます」と謙虚に答えている。占領民のローマに対する反発を知っていただけでなく、主イエスの「7:ひと言」の力を確信しているのだ。

◇彼は言う。「9:わたしも権威の下にある者ですが、わたしの下には兵隊がおり、一人に「行け」と言えば行きますし、他の一人に「来い」と言えば来ます。また、部下に「これをしろ」と言えば、そのとおりにします」。これを聞いて主イエスは彼を高く評価した。

◇自分はローマ皇帝の権威の下にあるのだが、主は人間の権威ではなく、神の権威の下にある。私が皇帝の権威で命じれば部下たちは従うが、主が大いなる神の権威によって命じるなら、僕の病どころか、世界のあらゆるものが服従するに違いない。

◇ローマや地上の国家は滅び行く。主イエスの属する「神の国」こそが不滅で偉大な権威の源である。その権威の下にある主イエスの「ひと言」に大きな価値を見出した百人隊長のことを、主は「10:わたしはこれほどの信仰を見たことがない」と賞賛されたのだ。

◇神の国とその権威こそが、私たちが命を捧げる献身の対象である。「自分の体を神に喜ばれる聖なる生けるいけにえとして献げなさい。これこそ、あなたがたのなすべき礼拝です」(ローマ書12:1)。

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