説教要旨
5月30日 「風立ちぬ、いざ」 大村 栄
<三位一体主日> 使徒言行録2:37~47
◇キリストの昇天から10日後、ペンテコステに聖霊が降り、ペトロが説教を語る。神の子イエス・キリストを「23:あなたがたは律法を知らない者たち(ポンテオ・ピラトなど)の手を借りて、十字架につけて殺してしまったのです」。しかし「32:神はこのイエスを復活させられたのです。わたしたちは皆、そのことの証人です」。
◇これを聞いたユダヤ人たちは驚いただろう。「37:人々はこれを聞いて大いに心を打たれ、ペトロとほかの使徒たちに、「兄弟たち、わたしたちはどうしたらよいのですか」と言った。38:すると、ペトロは彼らに言った。「悔い改めなさい。めいめい、イエス・キリストの名によって洗礼を受け、罪を赦していただきなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けます」。悔い改めは人生の方向転換。洗礼は罪ある自分に死んで、赦された自分を新たに生きること。
◇この言葉は多くの人の心を捕らえ、「41:ペトロの言葉を受け入れた人々は洗礼を受け、その日に三千人ほどが仲間に加わった」。この日以来教会は、風に帆をふくらませて大海原を行く船のように、聖霊の風に動かされて、聖霊を証ししつつ存在してきた。
◇「44:信者たちは皆一つになって、すべての物を共有にし、...45:皆がそれを分け合った」。最初の教会は信仰によって成り立つ共同生活だった。礼拝を中心にして親しい交わりを持つこの集団は、「47:民衆全体から好意を寄せられた。こうして、主は救われる人々を日々仲間に加え一つにされたのである」。巨大宗教集団に加入することによる力などではない。一人一人がここで聖霊の息吹を受けることによって、教会が魂の安らぎの場となったのだ。
◇「風立ちぬ、いざ生きめやも」P・ヴァレリー(「風が吹いてきた。さあ、生きてみようか」、堀辰雄著『風立ちぬ』1938より)。
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