説教要旨
    3月28日 あなたの王が来る 大村 栄
         マタイ福音書21:1~11

◇エルサレムの町に入城する主イエスを、ソロモンの栄華を回復してくれる人と期待して、人々は道に棕梠の葉を敷いて歓迎した。だが主はその前を、平和の象徴であるろばに乗って入城する。

◇マタイはこれをゼカリヤ書9:9の預言の成就という。「娘シオンよ、大いに踊れ。娘エルサレムよ、歓呼の声をあげよ。見よ、あなたの王が来る。彼は神に従い、勝利を与えられた者 高ぶることなく、ろばに乗って来る 雌ろばの子であるろばに乗って」。

◇ゼカリヤの時代、バビロンの捕囚から解放されて祖国に帰ってきた民を待つのは、崩壊した都と、破壊され廃墟となった神殿だった。だが帰還した民は生活の再建が第一で、神殿や礼拝は二の次だった。信仰と生活(現実)の間に距離が出来た彼らに与えられたのがゼカリアの託宣だった。そしてマタイはこの預言が、キリストのエルサレム入城において実現したと語るのだ。

◇私たちも自分の生活に追われ、コロナのような社会の波に流されそうな時にも、「あなたの王が来る」とのみ声を信じて待ち、私たちの王である方をお迎えするのに相応しい場所として教会を整えたい。

◇マタイ11:29「わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしの軛を負い、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたは安らぎを得られる」。軛は十字架と言い換えても良い。主に倣って自分の十字架を負うことが、私たちが平安を得る道である。

◇「来たれ、甘い十字架。わがイエスよ、それを我に与えたまえ。重荷耐えがたき時には、それを背負う力を与えたまえ」(バッハ「マタイ受難曲」より)。私たちの重くて苦い十字架を、ご自分の死を通して神の愛を知る甘い十字架に変えて下さる主イエスの到来を感謝し、「ダビデの子にホサナ」と心から賛美して迎えたい。

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