説教要旨
1月24日 「力になりたいから」
大村 栄 ローマの信徒への手紙1:8~17
◇この箇所の小見出しは「ローマ訪問の願い」。パウロは「15:ローマにいるあなたがたにも、ぜひ福音を告げ知らせたいのです」。福音とは神がキリストを通して人類に与えられた救いの知らせである。
◇「16:わたしは福音を恥としない。福音は、ユダヤ人をはじめ、ギリシア人にも、信じる者すべてに救いをもたらす神の力だからです」。
◇私は子供の頃「福音を恥と」した経験を持つ。父が戦後新宿区に開拓した小さな教会で生まれ育った。高度成長で豊かになる時代だったが、小さな牧師館は時代に取り残されたように貧しかった。教会が語る「福音」とやらは、この豊かな社会では何の輝きもないのかと、子供心に躓きを覚えたものだ。
◇しかしそんな豊かな時代だからこそ、物質では満たされない、真実なものを求めて教会に集う人々がおり、その人々の求めに、「福音」を伝えることで応えようとする教会の尊さにやがて気づかされ、18才で信仰告白をして、気が付けば牧師になっていた。
◇コロナ・ウイルスによって社会全体が不安のどん底にある。しかし、今こそ教会は改めて「福音を恥としない」という姿勢を確立し、神の愛を告げる福音を、この時代に宣べ伝え、証ししたい。
◇「11:あなたがたにぜひ会いたいのは、"霊"の賜物(福音信仰)をいくらかでも分け与えて、力になりたいからです」。教会が世に提供できるのは物質的なものではない。どんな時代にも変わらず、「信じる者すべてに救いをもたらす神の力」である「福音」を宣べ伝える。
◇それをもって教会は社会と世界の「力になりたい」。家族や友人、隣人たちの「力になりたい」。お互いに福音を信じる者同士、この時代の中で「14:果たすべき責任」を果たそうではないかとパウロは、私たちとこの教会にも訴えているように思う。
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