説教要旨
    12月27日 「新しき創造の期待」 歳末礼拝
       大村 栄  イザヤ書65:17~25

◇イザヤ書65章は前6世紀後半、バビロン補囚からの解放時に預言者(第3イザヤ)を通して語られた神の言葉。イスラエルは捕囚を不信仰に対する神の裁きと考えて、悔い改めを志した。

◇だがやがてバビロニヤがペルシアに滅ぼされ、民は祖国に帰還すると、廃墟となった町の再建と、生活の立て直しに精一杯で、神殿を再建し、信仰共同体を回復することは二の次になった。

◇その時に神は驚くべき言葉を語られた。「17:見よ、わたしは新しい天と新しい地を創造する。初めからのことを思い起こす者はない」。それは人間的な悔い改めでは立ち直れないイスラエルに、新しい「天地創造」をもって臨もうという神の決意である。

◇「天地創造」は何も素材とせず、無から有を生み出すように行われた。暗闇が全地を覆っていた時に、神が「光あれ」(創世記1:5)と言われた言葉によって暗闇に光が与えられたように、今も絶望の中に希望が、神の愛と恵みによって与えられるのだ。

◇再創造される未来が描かれる。「25:狼と小羊は共に草をはみ/獅子は牛のようにわらを食べ、」。弱肉強食のおぞましい世界から、平和な世界に変わる。ただし「25b:蛇は塵を食べ物とする」。天地創造の始めに、蛇は女エバに神の言葉を疑うようそそのかした。過去の罪を赦し、「新しい天と新しい地」を再創造して下さる神の愛を疑わせ、「そんなことあり得るのか?」とささやくのが蛇だ。

◇蛇が象徴するのは、人間を疑わせる悪魔的な力である。だが希望の乏しいところにも、無から有を生み出し、「17:新しい天と新しい地を創造する」神のみ業を「信じる力」を与える「聖霊」が与えられる。

◇「主を仰ぎ見れば古きわれは、現世(うつしよ)と共にとく去りゆき、われならぬわれのあらわれきて、見ずや天地ぞあらたまれる」(讃美歌21-579)。

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