説教要旨
    12月20日 「神の連帯、クリスマス」 降誕祭礼拝
       大村 栄  マタイ福音書11:2~19

◇マタイ1章前半の「イエス・キリストの系図」は、主イエスの血筋正しい生れを証明するものだが、その由緒正しい系図に、それぞれ問題のある5人の女性の名がある。これは罪深い世界に神の子が身を置いて下さったことのしるしで、これを「神の連帯」と呼ぶことができる。

◇後半18節以下は降誕の場面。「18:母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった」。ヨセフまでの正統な系図が、まだ未婚だったマリアの「処女降誕」で、その血統が断絶してしまった。

◇神は御子を通してこの系図のような人間の歴史に「内在」されたが、それは御子が罪にまみれることではない。「処女降誕」という断絶によって、神は人間から「超越」した存在であると示される。この内在と超越を通して「神の連帯」が完成し、それによる救いが実現した。

◇天使がヨセフにマリアの受胎と出産を告知する。「23:その名はインマヌエルと呼ばれる。この名は、「神は我々と共におられる」という意味である」。キリストにおいて、神は私たちと共に生きて下さる。その神が私たちの「味方」であるとパウロはローマ書に言う。

◇ローマ8章「31:もし神がわたしたちの味方であるならば、だれがわたしたちに敵対できますか。32:わたしたちすべてのために、その御子をさえ惜しまず死に渡された方は、御子と一緒にすべてのものをわたしたちに賜らないはずがありましょうか」。神は人間の罪を赦すための代償として、独り子を十字架の死に渡されたのだ。

◇クリスマスは、神が私たちを罪から救出する目的で「惜しまず死に渡され」るために、御子を生まれさせた日だった。この痛ましいほどの救済計画を決断して下さった神こそが、私たちの最大の「味方」であり、それが私たちへの「神の連帯」なのである。

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