説教要旨
9月13日 「その言葉が成就するとき」 大村 栄牧師
エレミヤ書28:1~17
◇紀元前6世紀、南ユダ王国はバビロニア帝国によって滅ぼされる直前の危機的状況にあった。バビロニアとの和平か戦争かで国論が二分する中、エレミヤは和平どころか徹底的な降伏を主張した。
◇もう一人の預言者ハナンヤは、バビロンによる侵略は避けられないが、「3:二年のうちに」すべては回復すると神は言われると説いた。しかしエレミヤは、民が悔い改めを受け入れなかったから「バビロンの王に70年の間仕える」(25:11)と裁きを説く。
◇ハナンヤの言う2年と、エレミヤの70年の差は大きい。平和を告げる預言者と、災いを告げる預言者とがある。昔の預言者たちは人を恐れずに災いを預言した。ハナンヤのように平和を語る預言者は、人々の歓心を買おうとして偽りを語ることが多い。
◇おそらく民の罵声を浴びる中、エレミヤは「9:平和を預言する者は、その言葉が成就するとき初めて、まことに主が遣わされた預言者であることが分かる」と言い残し、黙ってその場を去った。
◇一人になったエレミヤに、神からハナンヤへの言葉が託される。「15:ハナンヤよ、よく聞け。主はお前を遣わされていない。お前はこの民を安心させようとしているが、それは偽りだ。16:それゆえ、...お前は今年のうちに死ぬ。主に逆らって語ったからだ」。
◇だがエレミヤがうなだれて退場する場面で終わったとしても、私たちはそこに聖書の告げるメッセージを読み取ることができる。エレミヤは神の言葉が必ず「成就するとき」が来ると信じ、神の意志が実現すると信頼していたから、立ち去ることが出来たのだ。
◇そのような信頼の最大のお手本はキリストだ。主は十字架の死に至るまで、神への全き従順を生きた。その十字架と復活の主に見守られて、私たちも神への信頼を持って未来に向かい進みたい。
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