説教要旨
7月26日 「恐れるな、わたしはあなたと共にいる」
イザヤ書43:1~13 大村 栄牧師
◇イザヤ書は時代も著者も異なる3つの部分に分類される。40~55章の「第二イザヤ」(前6世紀中頃)は不信仰の結果であるバビロン補囚の末期に、解放の希望と悔い改めを説いた。今や神はこの苦難の時期を終わらせ、もう一度信仰に帰れと命じられる。
◇「1:恐れるな、わたしはあなたを贖う。あなたはわたしのもの。わたしはあなたの名を呼ぶ」。試練の間も神はイスラエルの民を見守り続けて下さった。「3:わたしはエジプトをあなたの身代金とし/クシュとセバ(エチオピア)をあなたの代償とする」。奴隷や人質を、身代金や代償を支払って買い戻すのが「1:贖(あがな)い」である。
◇それほどにして下さる理由は何か。それは「あなたたちが他のどの民よりも数が多かったからではない。あなたたちは他のどの民よりも貧弱であった。ただ、あなたに対する主の愛のゆえに、あなたたちの先祖に誓われた誓いを守られたゆえに」、主はイスラエルを救い出されたのである(申命記7:6-8)。
◇神の愛は「誓いを守る」ことと一体だ。愛すると誓ったからにはそれを守り通される。新約の時代を生きる私たちは、キリストを代償として贖われた新しいイスラエルである。この私たちに神は、「4:わたしの目にあなたは価高く、貴く/わたしはあなたを愛する。5:恐れるな、わたしはあなたと共にいる」と言って下さる。
◇新型コロナウイルスの中で「ソーシャル・ディスタンス」を心がけているが、これが強調されるあまり、人と人との心や思いも引き離されやしないかと心配する。山中伸弥氏はソーシャルディスタンスを「思いやり距離」と訳した。神が「5:わたしはあなたと共にいる」と言って下さるから、私たちはその神の愛の中で、お互いに「共にいますよ」と言い合えるディスタンスを保ちたい。
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