説教要旨
7月12日 「その道につまずく者」
ホセア書14:2~10 大村 栄牧師
◇ホセアは紀元前750年頃、滅亡前の北王国イスラエルに、神への悔い改めを説いた預言者。彼は愛人に捨てられて奴隷(娼婦)に身を落とした妻ゴメルを買い戻し、再び妻に迎えよと神に命じられる。その苦しい体験を通してホセアは、偶像に憧れ、神に背くイスラエルを、なおも受け入れる、痛ましいほどの神の愛を知らされるのだ。
◇「2:イスラエルよ、立ち帰れ/あなたの神、主のもとへ」。今からでも遅くないから、主に立ち帰れ、神の愛に帰れ、とホセアは言う。そして次のような悔い改めを誓うことを民に勧める。
◇「4:アッシリアはわたしたちの救いではありません。わたしたちはもはや軍馬に乗りません」。外交や軍備で危機を乗り切ろうとした過ちを悔い改め、「自分の手が造ったものを/再びわたしたちの神とは呼びません」。偶像礼拝の罪を2度と繰り返しませんと誓うのだ。
◇しかし、民はなかなか偶像を忘れられない。「9:ああエフライム(北イスラエル)/なおも、わたしを偶像と比べるのか」。偶像とは刻んだ像だけでなく、政治や武力など人間の力だけで未来を開いていけると信じる無知や傲慢の象徴でもある。
◇ホセアが生々しい体験を通して知った痛ましいほどの神の愛、その愛なしには生きていけない自分と世界を知ることが、本当の「知恵」である。「10:知恵ある者はこれらのことをわきまえよ。わきまえある者はそれを悟れ。主の道は正しい」。「主の道」は平らでまっすぐだ。神の愛を知って、「神に従う者はその(まっすぐな)道に歩み」、しかし「神に背く者はその道につまずく」。
◇道が悪いなのではない。神に背いて偶像を慕う罪が、足をつまずかせるのである。私たちは神の愛と憐れみを信じて、それにすがってつまずくことなく、「主の道」をまっすぐに歩んでいきたい。
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