説教要旨  6月7日 三位一体主日
     「三位一体の神」 大村 栄牧師
         ヨハネ福音書14:8~17

◇弟子のフィリポは「8:主よ、わたしたちに御父をお示しください」と願った。旧約には神を見た者は死ぬとあるが、創世記32章に、不安を抱えたヤコブが深夜に格闘をする場面がある。相手が「もう去らせてくれ」と言っても、ヤコブは腿の関節を外されて激痛があるだろうに、「祝福してくださるまでは離しません」とねばる。

◇相手はその場を去るに当たって「お前は神と闘って勝った」と言ったので、ヤコブは初めて戦いの相手が神だったと知り、「わたしは顔と顔とを合わせて神を見たのに、なお生きている」(32:31)と感動している。彼のこの神との格闘とは、「祈り」だったのではないか。「神を見る」という神との交わりは、祈りにおいて実現する。私たちは全身で体当たりするように神に祈る時に、心の目で神を間近に見るのである。

◇「16:父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる」。まもなく天に帰る主イエスとは「別の弁護者」、それは聖霊だが、言い換えれば主イエス自身が最初の「弁護者」だったのだ。キリストと聖霊はそのように一体である。父なる神と子なるキリストは親子のように一体であり、聖霊も含めた三者がそれぞれ、唯一の神のお姿なのだ(「三位一体」)。

◇ヤコブの祈りは神との戦いだった。だが私たちの祈りは、自ら戦う以上に、「14:わたしの名によって何かを願うならば、わたしがかなえてあげよう」と、天で取りなして下さる「弁護者」キリストによって、速やかに神に届くものとなった。感謝に尽きない。

◇ヤコブは激しい祈りの後、不安を乗りこえて故郷へ帰っていった。主イエスもゲッセマネの激しい祈りの中で、「ただ御心がなりますように」との全き信頼と勇気を得られた。私たちも祈りにおいて、キリストを通して神との親しい交わりを体験し、キリストの遣わされた「別の弁護者」なる聖霊に支えられて、主の道を歩む者でありたい。

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