説教要旨  5月24日
     「神は避けどころ」 大村 栄牧師
         詩編46:1~12

◇「2:神はわたしたちの避けどころ、わたしたちの砦。苦難のとき、必ずそこにいまして助けてくださる」。讃美歌377では「神はわが砦」と歌うが、聖書本文は「わたしたちの避けどころ」と複数形だ。

◇「3:わたしたちは決して恐れない/地が姿を変え/山々が揺らいで海の中に移るとも...」。天変地異にも神の助けを確信するが、「地」は世界を表す。前述のように「わたしたちの」、世界の助けと救いの確信である。コロナは「パンデミック(世界的大流行)」となった。こういう時に求められるのは、個人の救いだけでなく、「10:地の果てまで」の救いを宣べ伝える世界宗教である。

◇「8:万軍の主はわたしたちと共にいます。ヤコブの神はわたしたちの砦の塔」。ヤコブはアブラハムの孫。母リベカの胎を出る時、双子の兄エサウのかかとをつかんで出てきたので、アケブ(かかと)からヤコブと名付けられた。ある時、神の使いと取っ組み合いをした彼は、「29:お前の名はもうヤコブではなく、これからはイスラエル(「神が戦う」の意味)と呼ばれる。お前は神と人と闘って勝ったからだ」と言われた(創世記32章)。

◇出産時以来、人との競争に明け暮れしてきた彼が、もう自分で戦わなくて良いと言われた。ヤコブの改名は、自分の力で世界を変えようとする人間の競争を、神が阻止される出来事だったのだ。

◇「10:地の果てまで、戦いを断ち/弓を砕き槍を折り、盾を焼き払われる」。全世界に非戦と非武装の絶対平和が宣言される。イザヤ書2:4には「剣を打ち直して鋤とし/槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず/もはや戦うことを学ばない」。

◇国連本部ビルの壁に刻まれたこの聖句を実現する道は、非武装中立やガンジーやキング牧師の非暴力主義が考えられるが、身近な所で「日本国憲法」第9条の「戦争放棄」にその道があるのを覚えたい。「日本国民は...武力による威嚇又は武力の行使は...永久にこれを放棄する」。

◇「11:力を捨てよ(放棄せよ)、知れ/わたしは神。国々にあがめられ、この地であがめられる」。

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