説教要旨 5月17日
「母なる教会」 大村 栄牧師
ヨハネによる福音書16:25~33
◇先週は「母の日」だった。厳格な父の前で子供たちをとりなす優しい母。そんな父と母と子の関係が、神とキリストと人間の関係に置き換えられる。キリストは神と人の間を取り持つ「仲保者」である。
◇あの放蕩息子のように、人間は神に背いて自分勝手に生きようとする。その結果は平安を失い、恐れや不安に悩む。父なる神はそんな私たちの悔い改めをただ待っているが、母なるキリストは私たちのそば近くまで来て、私たちを神への信仰に立ち返らせようと招かれる。
◇ヨハネ14~16章はキリストの「訣別説教」である。「28:わたしは父のもとから出て、世に来たが、今、世を去って父のもとに行く」。そして14:6では「わたしは道であり、真理であり、命である」。あなた方のために天国への道を開くのだと、ご自分の昇天の意味も語られた。
◇古井戸に落ちた旅人がいた。最初にそこを通りかかった人が「何と愚かな人だ。今後は気を付けなさい」と叱責して行ってしまった。反省しても救出はされない。2番目の人は、「これがあなたの運命だから諦めなさい」と言って去る。宿命と諦めても人は救われない。
◇第3の男は一本の綱を井戸に落として、「これに掴まって登って来い」と叫んだが井戸の男はすでに自力では登れない。第4の男は自ら綱を伝って井戸に降り、泥まみれになって、男を肩に担いで穴から這い上がる。これが私たちの救い主キリストである。(以上、山室軍平の説教集より)
◇主は十字架に挫折する弟子たちの離反も予告された。だがペンテコステに降された「16:弁護者」なる「聖霊」によって彼らは立ち直る。弁護者は神と人を執り成す仲保者である。その日誕生した「母なる教会」の頭なるキリストは、古井戸の底のような世の闇に勝利しておられる。「33:あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている」。
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