説教要旨 4月12日 復活祭(イースター)
「闇から光へ」 大村 栄牧師
マタイ福音書28:1~10
「闇から光へ」 大村 栄牧師
マタイ福音書28:1~10
◇今日、日曜日の朝、主イエスの葬られた墓が空になっているのを見た女たちは恐れおののいた。しかし主の天使が、「6:あの方は、ここにはおられない。かねて言われていたとおり、復活なさったのだ」と言うのを聞いて、彼女たちは恐れを越える希望を見出した。
◇マタイ福音書ではかつて3度もキリストはご自分の死と復活を予告された。彼女たちはそれを思い出すことが出来たから、「8:恐れながらも大いに喜び、急いで墓を立ち去り」、途中で主にお会いすることが出来た。絶望の中でもみ言葉を思い起こして立ち上がる者に、復活の主イエスが寄り添って下さる。
◇しかし時に人間の理性や知識が、約束の言葉を信じる信仰を妨げることがある。十字架で死んだのは替え玉で、本物は隠れていた。だが死んで復活したことにすれば英雄になれる。そのために替え玉の死体を弟子たちが処分しにやってくるだろう。ユダヤ教の主流派は理性でそう考えたから、番兵たちに墓を厳重に見晴らせた。
◇しかし初代教会以来、私たちキリスト者は死ななかった英雄イエスではなく、死んだイエスを主と仰ぐ。金曜の午後3時に死んでアリマタヤのヨセフの墓に葬られた主イエスは、人間の手の届かない陰府(よみ)に降られ、しかしそれによって陰府も神の手の届く領域となった。闇の世界に光が届いた。死ななかった不滅の英雄にはそれは出来ない。
◇主イエスの死とは、私たちが死にきれない分を替わって死んで下さったということでもある。私たちは罪ある古い自分に死んで、新しい人間に生まれ変わることが出来ない。やり直せない。リセットできない。そういう私たちの身代わりに死んで、主イエスは新しくやり直す道を開いて下さったのである。
◇コロナウイルスの厳しい現実の中にある私たちだが、今日、復活の主イエスと共に歩む信仰と希望の道へと、心新たに踏み出したい。イースターおめでとう!
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