説教要旨

12月29日 (歳末礼拝)
     「出会いを求める旅」 牧師 大村 栄
               マタイ福音書2:1~12

◇星に導かれて、東の国から旅をしてきた3人の博士たちには、もう一人アルタバンという仲間がいたというお話しがある(ヴァン・ダイク作の小説「もう一人の博士」)。彼は集合場所に急ぐ途中で、飢えと病気で倒れている人に出会い、その看病のために、救い主に捧げることにしていた宝石の一つを売るはめになり、しかも待ち合わせ時間に遅れてしまった。

◇ベツレヘムに着いた時には、仲間の博士たちも幼な子とその両親もすでにいない。ある家で休ませてもらっていたところ、突然兵隊たちがやって来て、ヘロデ王の命令で町中の「2才以下の男の子」を殺している。アルタバンの休む家にも男の子がいた。彼は兵隊に第2の宝石をそっと渡して幼な子を助ける。

◇その後長い旅を続け、33年後にエルサレムのゴルゴタの丘で、「救い主」と自称する男がはりつけの処刑をされると聞いた。「あの方かも知れない」。アルタバンが丘に向かって歩き出した時、若い娘が逃げてきた。奴隷に売られるところだった。彼はこの娘を解放するために、最後の第3の宝石を兵隊に与えてしまった。

◇その時地震が起こった。アルタバンは石の下敷きになって身動き出来ない。娘が彼を助けようとして見ると、唇が動いていた。「いいえ違います。主よ!いつ私はあなたをお助けしましたか」。

◇その時静かな遠い声が聞こえた。「はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである」(マタイ25:40)。するとアルタバンは安心し切ったような長いため息をついて息を引き取った。

◇アルタバンは旅の途上でいつも、小さな者に仕えることを通して主に仕え、主に守られていたのだ。それは最も充実した生涯である。私たちも来る年、キリストと出会う旅を生きる者でありたい。

日本キリスト教団 習志野教会    〒262-0044 千葉市花見川区長作町1630-14 

Mail : info@narashino-church.com  TEL&FAX 043-306-5766