説教要旨
9月29日
「荒れ野の泉のほとり」 牧師 大村 栄
創世記9:1~9
◇神がアブラム(後のアブラハム)に語りかけた。「わたしはあなたを大いなる国民にする」(12:2)。しかしサライ(後のサラ)との間に子がなかったので彼は甥を同行する。甥の子でも子孫になるだろう、と考えたのだ。
◇しかしやがてアブラムと甥のロトは財産が増え、共存できなくなり、別の場所に住むことにした。甥から子孫を得る計画は失敗した。今度は家来の一人エリエゼルを養子に迎えようとした。
◇再び神の祝福の言葉があった。「その者(エリエゼル)があなたの跡を継ぐのではなく、あなたから生まれる者が跡を継ぐ」(15:4)。そして「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみるがよい。あなたの子孫はこのようになる」(15:5)。アブラム自身の子から子孫がひろがるとの祝福の約束だ。彼はそれを信じた。
◇(ここから16章)しかし一向に子供は産まれない。そこで夫婦は考えた。「あなたから生まれる者」とは、妻サライの子とは限らない。そして決断したのが、サライの召使いで女奴隷のハガルに、アブラムの子を産ませることだった。信仰と現実のギャップで悩み、人間的な手段をとったのだ。だがハガルは「4:自分が身ごもったのを知ると、女主人を軽んじた」。そこでサライは激しく夫を責め、身重のハガルは荒れ野に追放される。
◇神の祝福を成就するために知恵を用いたのに、事態は前よりも悪くなってしまった。夫婦にとってもハガルにとっても、最悪な事態となった。人間の計画の愚かさである。16章では、ここまで神は一切登場しない。しかし私たちが人間の思い計らいに破れた時、そこに神の登場して下さる時と場所がある。
◇「7:主の御使いが荒れ野の泉のほとり」でハガルに寄り添い、彼女に語りかける、「9:女主人のもとに帰り、従順に仕えなさい」と。最も避けたい事態に立ち向かう勇気と希望が与えられた。ハガルは「13:あなたこそエル・ロイ(わたしを顧みられる神)です」と主を呼んだ。
◇いかなる人間の行き詰まりにも、神の介入によってのみ解決があるのだ。
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