説教要旨

9月22
 「いちばん大切なもの」 牧師 大村 栄
              ルカによる福音書14:25~33

◇「26:父、母、妻、子供、兄弟、姉妹を、更に自分の命であろうとも、これを憎まないなら、わたしの弟子ではありえない」。憎むとは拒絶や放棄することではなく、私物化しないことを言う。

◇「44:天の国は次のようにたとえられる。畑に宝が隠されている。見つけた人は、そのまま隠しておき、喜びながら帰り、持ち物をすっかり売り払って、その畑を買う」(マタイ13:44)。彼が私物をすべて捨てられたのは、もっと大事なものを発見したからだ。それほどに大切な「天の国」(「神の国」)とは、地理的な領域ではなく、そこでなされる統治(ガバナンス)のことである。山浦玄嗣氏は、天国を「神様のお取り仕切り」と訳している(『ケセン語訳聖書』)。

◇ひとり子を賜るほどにこの世を愛される神の統治(お取りしきり)に委ねて生きる平安。それが「いちばん大切なもの」だと分かれば、その他、自分の抱え込ている所有物や課題に、過剰に焦ったり苛立ったりせず、ひとつひとつに冷静に対応できるであろう。

◇28節以下は、その「いちばん大切なもの」を買うための「資金計画」についてのたとえである。「28:あなたがたのうち、塔を建てようとするとき、造り上げるのに十分な費用があるかどうか、まず腰をすえて計算しない者がいるだろうか」。この「塔」は畑の見張りやぐらである。費用計算とそれに見合った資金の用意を怠ると、「30:あの人は建て始めたが、完成することはできなかった」とあざけられるだろう。

◇「天の国」(神様のお取り仕切り)を生きるために「33:自分の持ち物を一切捨てないならば、あなたがたのだれ一人としてわたしの弟子ではありえない」。「いちばん大切なもの」を得るためには、かなりの犠牲(コスト)を払う必要があると言う。ただしそのコスト・パフォーマンスを「腰をすえて計算」するとき、実は最大のコストを、私たちよりも神の子イエス・キリストが十字架において支払って下さったことに気づかされる。

◇圧倒的なコスパの良さに感謝して、神のガバナンスにゆだね、主の弟子として生きるのみだ。

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