説教要旨
8月11日
「静かにささやく声」 牧師 大村 栄
列王記上19:1~18
◇北イスラエルの王アハブは王妃イゼベルの奉ずる偶像バアルにひれ伏した。預言者エリヤはその王の不信仰を批判し、そのため命をつけ狙われた。その追撃に疲れて「4:主よ、もう十分です。わたしの命を取ってください」と叫ぶほどであった。
◇ホレブの山の洞窟に隠れていたエリヤに神が呼びかけ、彼は孤立無援の窮状を訴える。「10:わたし一人だけが残り、彼らはこのわたしの命をも奪おうとねらっています」。
◇これに対して神は、「18:わたしはイスラエルに七千人を残す。これは皆、バアルにひざまずかず、これに口づけしなかった者である」と言われる。孤立を嘆いている者に、「あなたは一人ではない」と告げる強い励ましである。またエリヤには協力者も後継者もあることが示された。彼らによって正しい宗教改革が実行されていく。
◇その神の意志が示される状況に注目したい。神は洞窟の中でおびえていたエリヤを「11:そこを出て、山の中で主の前に立ちなさい」と呼び出される。そして「主の御前には非常に激しい風が起こり、山を裂き、岩を砕いた。しかし、風の中に主はおられなかった。風の後に地震が起こった。しかし、地震の中にも主はおられなかった。12:地震の後に火が起こった。しかし、火の中にも主はおられなかった」。最後に「火の後に、静かにささやく声が聞こえた」。
◇神の言葉は激しく迫るとは限らない。静かにささやく声で語りかけられる。それを聞き落としてはならない。静かなみ声を聞き分け、聞き取って、勇気と希望を与えられたい。雨が、せせらぎからやがて大河となって人々の生活を潤すように、神の言葉を注がれた私たちは主の道を歩み、やがて偉大なる主の御業のために用いられたい。またそのための教会でありたい。
イザヤ55:10-11参照(下記)
雨も雪も、ひとたび天から降れば、むなしく天に戻ることはない。
それは大地を潤し、芽を出させ、生い茂らせ、
種蒔く人には種を与え、食べる人には糧を与える。
そのように、わたしの口から出るわたしの言葉も、
むなしくは、わたしのもとに戻らない。
それはわたしの望むことを成し遂げ、わたしが与えた使命を必ず果たす。