説教要旨
8月4日
「罪の女の涙」 牧師 大村 栄
ルカによる福音書7:36~50
◇ファリサイ派のシモンが、主イエスを自宅に招いた。その席は誰でも自由に入って客の顔を見たり、その話に耳を傾けることができた。だからそこに「37:一人の罪深い女」(娼婦)もいた。
◇「罪の女」に足を触らせている主イエスを見て、シモンは「39:この人がもし預言者なら、自分に触れている女がだれで、どんな人か分かるはずだ。罪深い女なのに」と思った。預言者は罪を指摘し、糺す立場なのだから、この女を厳しく叱責すべきだと。
◇彼に対して主はたとえ話を語られた。「41:ある金貸しから、二人の人が金を借りていた。一人は500デナリオン(約300万円)、もう一人は50デナリオン(約30万円)である。42:二人には返す金がなかったので、金貸しは両方の借金を帳消しにしてやった。二人のうち、どちらが多くその金貸しを愛するだろうか」。
◇「43:帳消しにしてもらった額の多い方」ですとシモンは正解を言う。この借金は「罪」を示す。その罪を罰する権威のある神が赦すと言って下さるなら、そして本当に赦されると信じるなら、そこから全く新しい人生が始まる。女は赦されると知って、感動の涙を流した。
◇「42:どちらが多くその金貸しを愛するだろうか」。「感謝するだろうか」ではない。本当の赦しは口先で「赦してやる」と言うだけでなく、赦す相手を愛し、その者と共に生きることだ。そして赦され、愛された人は、愛する者に変えられる。
◇私たちも、主の日ごとに赦しのみ言葉を聞き、それによって新しく愛を生きる者とされたい。