説教要旨

月23日

   「教会のはじまり」 大村 栄
          使徒言行録2:29~42

◇ペンテコステに聖霊を受けて語り出した使徒ペトロのユダヤ人に対する説教の一部。ナザレ人イエスこそ神から遣わされた救い主だった。しかしあなた方はその方を十字架につけて殺してしまった。だが神は主を復活させられた。私たちは復活の証人だ。


◇かつて「キリストを十字架につけよ」と叫んだ人々は心打たれ、ペトロに「37:わたしたちはどうしたらよいのですか」とたずね、彼の勧め「38:悔い改めなさい。めいめい、イエス・キリストの名によって洗礼を受け、罪を赦していただきなさい」に応えて大勢の人々が洗礼を受け、ここに教会が誕生した。


◇この日以来教会は、風に大きく帆を膨らませて航海する船のように、聖霊の風に運ばれてきた。教会に集う私たちもキリストと共に、この世の旅路を、目的の地を目指して進んでいくのだ。


◇エマオへの道を復活の主と共に歩む二人の弟子たちは、それが主だとは分からなかった。宿で夕食を共にした時、主イエスの聖餐の仕草に気がついたが、その姿は見えなくなった(ルカ24:13-)。


◇キリスト教信仰とは、この2人が主イエスと語り合いながら心を燃やして(24:32)エマオへまで旅したように、キリストと人生の喜びや悩み悲しみなどを語り合いながら、目的地である「神の国(天国)」への旅路を共に歩むことである。


◇ペンテコステに始まった教会は、聖霊の風を受けて私たちを運ぶ船だ。乗り込むのは神の国を目指して進む旅人の群れである。嵐に悩まされ、時には目的地の確かさを疑いながら、それでも信頼を失わずに、主イエスと共に旅する決意をした私たち、この群れが教会である。この旅の最大の同伴者が主イエス・キリストなのである。